いまや世界中で生活の一部となっているSNS。
その中でもInstagram(インスタ)は若い世代から特に支持を受け、日本国内でのユーザーは約3300万人とも言われています。
そして近年、企業の採用活動が多様化する中で、「インスタ採用」が注目されています。
今回のコラムでは、話題のインスタ採用について解説します。
インスタ採用をお考えの企業の皆さん、企業がインスタ採用を行うメリットやデメリット、そして成功のポイントもお伝えしますので、ぜひご覧ください。
目次
インスタ採用とは?
インスタ採用とは、Instagramを活用して行う採用活動のことです。
Instagramは、ビジュアルを主体としたSNSプラットフォームで、特に10代〜20代といった若年層の利用が多いことが特徴です。
従来の求人サイトや、他のSNS採用とは異なり、視覚的な表現力を活かして企業の雰囲気や魅力を直接伝えられるのがインスタ採用の魅力です。
従来の採用活動では、企業のウェブサイトや求人媒体を通じて情報が発信されていましたが、インスタ採用ではInstagramアカウントを使って日常的に情報を発信します。
これは、単に職場の写真や社員インタビューを投稿するだけでなく、ストーリーズやリールといった機能を活用することで、リアルタイムに企業の様子を伝えることができるのが特徴です。
他のSNS採用とインスタ採用、何が違う?
インスタ採用は、他のSNSを使った採用活動と異なる点がいくつかあります。
例えば、TwitterやFacebookも採用活動で利用されることが多いのですが、Instagramが持つ「視覚的要素」は他のSNSにはない強みです。Instagramは、写真や動画で視覚的に訴求することが主流であり、テキスト中心のTwitterとは大きく異なります。
また、Facebookは30代から50代のユーザー層が多いのに対して、Instagramは10代から20代が主なユーザー層となっており、若年層への訴求力が強いのも特徴です。
そのため、インスタ採用は特に新卒や若年層をターゲットとした採用に向いています。
他のSNS採用と比べ、リールやストーリーズを活用することで、短時間でインパクトを与えやすいのもInstagramならではの利点です。
さらに、インスタ採用では「ストーリーズ」機能を利用して、24時間限定で企業の「1日密着」や「オフィスツアー」を行うことができ、他のSNSよりも日常的でリアルな情報を提供しやすいです。
インスタの「ハッシュタグ」も活用されており、企業名や業界名とともに「#採用」「#新卒採用」などのキーワードをつけることで、求職者が検索しやすくなる仕組みも整っています。
インスタ採用のメリット
インスタ採用を実施することには、どんなメリットがあるでしょう。
1.視覚的な訴求力
Instagramは画像や動画がメインのSNSであるため、企業の文化や職場環境を視覚的に訴求できます。
例えば、社員が働く姿やオフィスの内装、チームイベントなどをインスタで公開することで、応募者に企業の雰囲気を直感的に伝えることができます。
2.若年層へのリーチ
インスタの主要ユーザー層である10代から20代にリーチしやすいことも、インスタ採用の大きな利点です。
従来の求人サイトや他のSNSでは得られない若い層に、企業が親しみやすく近い存在として映ることができます。
3.リアルタイムの情報発信
インスタではリアルタイムで情報を発信しやすく、特にストーリーズを使えば、日常的な情報も手軽に公開できます。
イベントの様子や社員の日常風景などをインスタのストーリーズでシェアすることで、応募者に「生の情報」を届けることができます。
インスタ採用、デメリットは?
一方で、インスタ採用にはいくつかのデメリットも存在します。
1.更新の手間がかかる
インスタ採用では、定期的な投稿やストーリーズの更新が必要です。
更新頻度が低いと、フォロワーが減少したり、求職者に「情報が少ない」と感じられてしまいます。そのため、採用担当者にはインスタの運用に慣れる必要があり、一定の労力が求められます。
2.情報の伝達が視覚メイン
インスタは視覚的な表現に特化しているため、テキストでの詳しい説明や細かい業務内容を伝えるには向いていません。
企業のビジョンや働き方の詳細を説明する場合、他の方法との併用が望ましいでしょう。
3.イメージ戦略が必要
インスタ採用では企業のイメージが直に反映されやすいため、インスタ上の「見え方」や「ブランドイメージ」をしっかり考慮しなければなりません。
投稿内容や写真のクオリティ、統一感のあるデザインが求められるため、専門のデザインスキルやコンサルタントが必要な場合もあります。
企業がインスタ採用を成功させるポイント
インスタ採用で成功するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
1.ターゲット層を明確にする
まず、ターゲットとする求職者の年齢層や興味関心を明確にすることが重要です。
若年層をターゲットとする場合、インスタ採用ではカジュアルで親しみやすい投稿が好まれますが、求職者が中堅層以上であれば、もう少し専門的な内容が求められるでしょう。
2.ビジュアルコンテンツに力を入れる
インスタ採用では写真や動画のクオリティが重要です。
プロのカメラマンを起用するか、社内で高品質の画像が作れる環境を整え、応募者が興味を持つビジュアルを提供することがポイントです。例えば、社内のイベント風景やリラックスした社員同士のやり取りなどを、自然な形で公開すると良いでしょう。
3.ストーリーズやリールの活用
ストーリーズやリールを活用することで、より多くのユーザーにリーチしやすくなります。
ストーリーズでは「日常の一コマ」や「インスタライブ」などで社員の姿を映し出すと、より親近感を持たれやすくなります。
また、リールでは短時間で魅力を伝え、潜在的な応募者の関心を引き付けることができます。
4.ハッシュタグの最適化
インスタ採用で重要なのが、ハッシュタグの適切な利用です。「#採用」「#企業名」「#職種名」「#インターン募集」などのタグを組み合わせ、より広範囲なユーザーに見てもらえるよう工夫することが必要です。
さらに、「#新卒採用」や「#社員インタビュー」など、求職者の検索意図に沿ったハッシュタグも検討します。
5.フィードバックと分析を行う
インスタ採用の投稿がどのような反応を得ているか、フィードバックをこまめに確認し、定期的に分析することも成功の秘訣です。
インスタグラムのインサイト機能を使って、投稿のリーチ数やエンゲージメント率をチェックし、求職者が興味を持つコンテンツの傾向を把握すると良いでしょう。
まとめ
インスタ採用は、視覚的なアプローチを最大限に活かした新しい採用手法として、多くの企業にとって大きな可能性を秘めており、特に、新卒採用や若年層のリクルーティングにとても適しています。
一方で、インスタアカウントの運用においては、運用に一定の労力とスキルが求められる点に注意が必要です。場合によってはSNS運用を請け負う会社に依頼することも一つの方法でしょう。
今後も、企業は時代の変化に合わせた採用手法を取り入れる必要がありますが、インスタ採用はそうした「新しいスタイルの採用活動」としての一例です。
企業がインスタを使って自己表現し、求職者にリアルで親しみやすいメッセージを届けることができれば、採用活動の幅が広がり、より多様な人材の確保につながるでしょう。
企業・求職者共に新たな可能性が広がることが期待できるインスタ採用、ぜひ、新しい風を取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後までご覧くださりありがとうございます。