近年、SNSを活用した情報発信はあらゆる業種で一般的になりました。その中でも特に注目を集めているのが、TikTokの活用です。若年層を中心に圧倒的な影響力を持つTikTokは、もはやビジネスやブランディングのツールとしても重要な存在となっています。
そんな中で、TikTokを活用し始めた業種として「クリニック」が急増しているのをご存じでしょうか？ 美容クリニックをはじめ、歯科クリニックや皮膚科、メンタルクリニックなど、さまざまなクリニックがTikTokに参入し、その影響力を活かした発信を行っています。
今回のコラムでは、なぜ今クリニックがTikTokを活用するのか、その背景やメリット、そして活用する際の注意点など詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
なぜ今、クリニックがTikTokを運用するのか？
SNSといえば、これまではInstagramやTwitter（X）が主流でした。しかし、TikTokはショート動画メインという特性上、「短時間で印象を残せる」「感情に訴えかけやすい」といった利点があります。
こうした特徴は、実はクリニックとの相性がとても良いのです。
例えば、医師やスタッフの人柄を伝えやすい、治療のビフォーアフターが視覚的にわかりやすい、難しい医療情報もやさしく短く伝えられる、といった点で多くのクリニックがTikTokに魅力を感じているのです。
さらに、広告費を抑えながら多くの人にリーチできる点も、クリニック経営者にとっては大きなメリットとなります。
TikTokはどんなクリニックが活用してる？
TikTokを活用するクリニックが増加傾向にある今、実際にどんなクリニックが活用しているか解説していきます。
1. 美容クリニック（美容外科・美容皮膚科）
TikTokで最も積極的に運用されているのが美容クリニックです。施術のビフォーアフターやドクターの紹介、施術の流れなど、視覚的に訴求しやすいコンテンツが多く、ユーザーの関心を引きやすいのが特徴です。
例えば、ある美容外科クリニックでは、施術動画を投稿し患者の安心感につなげています 。
2.小児科・内科などの一般クリニック
一般診療科目のクリニックでも、TikTokを活用する事例が増えています。
例えば、ある小児科クリニックでは、30代の主婦層をターゲットに、子育て世代の悩みに寄り添ったコンテンツを発信し来院につなげています 。
3.病院・総合クリニック
総合病院の中には、看護師を中心に病院の雰囲気や研修制度を紹介する動画を投稿し、職場の雰囲気や働きやすさを伝えているところもあります 。このように、採用活動の一環としてTikTokを活用する医療機関もあります。
未来の患者さんのみでなく、医療職を希望する方へのアピールとしても効果的なようです。
TikTok運用で得られるクリニックのメリット
TikTokを運用することで、クリニックには次のようなメリットが期待できます。
1.集客力アップ
若年層に人気のTikTokでは、動画が「バズる」ことで一気に認知度が高まることも珍しくありません。美容や歯科など、見た目に関わる分野のクリニックにとっては、来院のきっかけ作りに最適なツールです。
例えば、美容クリニックが「施術前後の比較」や「よくある質問」などを発信することで、利用者の不安を解消し、来院につなげることができます。
2.信頼感の向上
医師やスタッフが登場して、治療方針や院内の雰囲気を伝えることで、視聴者に安心感を与えることができます。TikTokなら、かしこまった紹介ではなく、自然体の様子が伝えやすいため、「このクリニックなら信頼できそう」と感じてもらえるきっかけになります。
3.差別化が図れる
TikTokのアルゴリズムにより、面白く役に立つコンテンツは拡散されやすくなっています。他のクリニックと差別化されたユニークな投稿は、ユーザーの記憶に残りやすく、競争が激しい医療業界において強みとなります。
実際にTikTokを活用しているクリニックの中には、月間来院数が2倍になったり、遠方からの問い合わせが増加したという声もあります。
TikTokを上手に活用することで、クリニックの集客やブランディングに大きく貢献しているのです。
TikTok運用で注意すべきポイント
とはいえ、医療情報を扱うクリニックがTikTokを運用する際には、いくつか注意点があります。
1.医療広告ガイドラインに違反しない
クリニックの情報発信は、医療広告ガイドラインに従う必要があります。「絶対治る」「効果保証」などの表現はNGです。TikTokはノリが軽くなりがちな媒体ですが、医療情報の発信は慎重に行いましょう。
2.プライバシーへの配慮
来院者やスタッフの顔が映り込む場合は、必ず事前に同意を得ることが必要です。無断で患者の情報を出すことは、個人情報保護の観点から大きなリスクを伴います。
3.継続的な運用が必要
TikTokは投稿を継続することでアカウントの評価が上がりやすくなります。最初は成果が出なくても、定期的に投稿し、トレンドを研究する努力が必要です。
忙しいクリニックでは、運用代行やSNS担当スタッフの配置も検討するとよいでしょう。
TikTok運用代行を選ぶときのチェックポイント
自分たちで運用するクリニックも増えていますが、外注する場合はパートナー選びが非常に重要です。チェックすべきポイントを紹介します。
1.医療分野での実績があるか
医療は専門知識とガイドラインへの理解が必要です。「美容医療が得意」「歯科専門」など、得意分野が明示されている会社は安心です。
2.TikTok特化型かSNS全般対応か
TikTok特化型は、編集やバズらせるノウハウに長けており、若者向けの演出が得意です。一方、SNS全般対応型は、ブランド全体の戦略やクロスマーケティングに強く、ブランディング重視のクリニックに向いています。
3.投稿方針・企画提案力
「動画を作るだけ」では成果が出にくい時代です。ネタ探しや企画提案、トレンド感覚のある代行が理想です。
4.料金と契約条件の明確さ
月額10万〜30万円が相場ですが、内容により差があります。1ヶ月の投稿数、撮影の有無、分析レポートの範囲などをしっかり確認しましょう。
5.担当者との相性・対応力
担当者のレスポンスや姿勢も大事な要素です。医療の現場に理解があるか、撮影や編集への不安に親身に対応してくれるかもチェックしましょう。
まとめ
TikTokを活用するクリニックが増えている背景には、時代のニーズとメディアの進化があります。若年層を中心に情報収集の手段がテレビや検索からTikTokへと移行しつつある今、クリニックもその流れに適応する必要があります。
もちろん、TikTokを運用する際には慎重さも求められますが、正しく使えば「信頼」「認知」「集客」を得られる可能性を秘めています。
「SNSは若者向けだからうちには関係ない」「TikTokを運用することで変化があるの？」と感じているクリニックこそ、一歩踏み出すことで、思わぬ効果を得られるかもしれません。
TikTokという新しい発信の場を、ぜひ貴院の強力な味方として活用してみてはいかがでしょうか？
最後までご覧くださりありがとうございました。
