30社以上の企業YouTubeチャンネルを運用してきた筆者が成功する企業のポイントを教えます。

20年前にホームページを持っていた企業はわずかでしたが今はほとんどの企業が持っています。むしろ持っていないと信用されないと言っても過言ではありません。動画のチャンネルもホームページのように 1 企業 1チャンネルまたは複数チャンネルを持つ時代が来ると言われています。

これから YouTube チャンネルを運用する企業はますます増えていくでしょう。しかしチャンネル 運営に成功する企業と成功しない企業があります。一体何が違うのでしょうか?

企業のYouTube チャンネルを30社以上運用してきた私がこれまでの経験をもとにチャンネル 運営に成功しやすい企業のポイントをお伝えします。

1 .発信者・チームに熱量を持って伝えたい思いや、 解決したい課題がある

企業がYouTubeチャンネルを運営する上で目的は、採用や集客だとは思いますがその過程に発信者・チームに熱量を持って伝えたい思いや、解決したい課題があると成功しやすいです。

ビジネスでも一緒で「この美容液買ってください!」というよりも「この美容液を世の中に普及することによって肌の悩みを抱える女性の救いたい」そういった思いを打ち出した方が共感を得やすく、最終的に売れやすいです。

例えば 弁護士さんであれば法務の知識を発信することによって視聴者にファンになってもらい、最終的にはクライアントになってもらう、もしくはオンライン上のサービスを購入してもらう事がゴールだとは思いますが、その過程に例えば 「法務知識を一般の方に知ってもらい国民全体のリテラシーを上げ、争いや紛争のない世界を作る」こういった 「熱い思い」や「解決したい課題」を発信することで共感を得やすいです。

動画は感情や熱意が伝わりやすい特性があります。視聴者は発信者の熱量や感情を感じ取り、「この人からサービスを購入しよう」となります。なので熱い熱量を持って発信しましょう。

企業がYouTube チャンネルをする上でまず大切にするのは「この YouTube チャンネルを通してどういった未来をユーザーに提供したいのか」 それを初めに考え、その思いを土台にチャンネル運営をすることをおすすめします。

しかしよくあるパターンが経営者にはそういった熱い思いがあっても、実際に運用を担当する従業員にまでその熱量が伝わっていないことが多いです。

経営者にとっては解決したい、伝えたい熱い思いがあっても、実際に運用を担当する従業員にとっては、「ただ単に作業が増えただけ」と思われてしまうかもしれません。

そういった問題をなくすために「なぜYouTubeを運用するのか」「何を伝えたいのか」「どんな課題を解決したいのか」をしっかりと運用チームに周知し、そして定期的にコミュニケーションを取りリマインドしましょう。

1つ注意点があります。チームを運営するのは大人数になればなるほど思いが伝えるのが難しいので、関わる人数は最小限にした方がいいかもしれません。

経験上一番成功しやすいのは経営者自らが台本を書き、出演する方法が最も成功しやすいです。

2.運用チームの役割分担がきちんとできている

先ほどの話にも関わる話ですが、YouTube運用には様々な工数がかかるため、1人で運用することが難しくチームでやることが多いです。その際、できる限り工数を細かく噛み砕いて役割を決め、責任感を持ってもらうようにしましょう。

役割が曖昧だと自分以外の誰かがやってくれるだろうと少しずつ甘えが出て、動画のクオリティが下がり、成果につながりにくく、どんどんモチベーションが落ちてきて、やがて更新が途絶え運用が頓挫してしまいます。

YouTube運用を分解すると「アカウントの設計」「 企画のリサーチ」「台本作成」「撮影手配」「 出演 」「編集ディレクション」「 編集動画チェック」「サムネイル制作」 「動画投稿」「アナリティクス分析」 「改善分析」「最新のアルゴリズムのキャッチアップ」「競合分析」などたくさんの工数があります。 できる限り工数を細かく分割し、 役割を決めましょう。

3.表現に真面目すぎない

 YouTubeではユーザーに視聴されやすい少し大げさで独特な表現がたくさんあります。特にサムネイルにその傾向があります。

 例えば「9割が知らない〇〇〇」などのタイトルがよくありますが、本当に9割が知らないわけではありません。しかし視聴者が反応しやすい表現である為、YouTube上ではよく使われています。

この表現もSNS慣れしていない人からすると過大表現のように感じてその発信に抵抗がある人もいます。

担当者の方でありがちなのが、サムネイルにそのような表現を入れようとした際に「実際に9割が知らないわけじゃないから嘘になる」と言って発信を控える真面目な方がいらっしゃいます。

 あまりにも過大な表現は問題ですが、ある程度YouTubeのユーザーが反応するような表現方法はアリとしましょう。

またSNSではネガティブ訴求が有効です。人間は基本的に得するより、 損したくないという欲求の方が強いのでネガティブ 訴求のサムネイルの方がクリックされやすいのです。

例えば介護士の採用を目的にYouTubeをやっていた場合 、  普通に「介護士のやりがい3選 」というポジティブな内容でサムネイルを作るより「介護士になった男性の末路」などネガティブな結果を想起させる表現の方がクリックされやすいです。本来発信したい内容と違いますががクリックし動画を見てもらうことで、サムネイルのイメージを覆し、最終的に介護士って魅力的な仕事だなという印象を持って納得してもらうという手法です。

しかし真面目な方が担当だとサムネイルの時点で「ネガティブなイメージがついてしまう」と気にしてしまい、結果当たり障りのないサムネイルになってしまいます。

企業が発信するものなので誤りがあってはいけませんが 、あまりに真面目な表現をすると当たり障りのない誰にも見られないYouTube チャンネルになってしまいます。

 SNS はこういうものだと割り切ってあまり発信に真面目になりすぎないようにしましょう。

4.短期的に結果を求めない

YouTube チャンネルを立ち上げて成長させるにはどうしても時間がかかります。YouTubeにはAIで動画内容・チャンネル内容を分析し、適切なユーザーにおすすめするという機能があります。

しかし初期のチャンネルはYouTube内でどういう動画を発信するチャンネルか正しく認識されていないのでブラウジングやおすすめ機能で関係のない動画が表示されます。YouTube というプラットフォームに自身のチャンネルの発信内容を理解してもらうためには継続的な投稿が必要です。今はYouTube shortsがあり、短期的に成果を上げるチャンネルも中にはありますが、一般的には50本は投稿した方がいいと言われています。

同じ属性のチャンネル登録者数が集まるように、またYouTubeのAIにどういった情報を発信するチャンネルなのかを理解してもらうために、半年から1年は成果に繋がらなくても我慢をしてあげ続けましょう。

 成果が出始めれば急激に伸びるはずです。

 5.安定的な経営体制ができている

 YouTubeは継続的な投稿が肝となるSNSです。しかし経営体制が安定していないと運用資金の枯渇や人員のリソースが避けなくなるなどの事態で運用を中断してしまいます。

 YouTube運営は「絶対にやった方がいい施策」でありますが 「絶対にやらなくてはならない施策」ではありません。そして経営を急に好転させる魔法のような施策でもありません。あくまで 未来を見据えた中長期的な投資だと考えてください。

なので安定して本業でも収益が確保できている、従業員が一人くらいやめてもYouTube 運用ができるくらいの余裕のある人員体制ができてる状態で運用するのが理想です。

まとめ

いかがだったでしょうか?まだ 細かく話せば成功しやすい企業のポイントというのはたくさんありますが、今回は大まかな 「成功しやすい企業のポイント」を解説しました。

皆様がYouTube チャンネルを運用する上で 少しでも参考となりましたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。