子どもとTikTok、どう向き合う?ペアレンタルコントロールで安心できるスマホ習慣をつくる方法

かわいいフィルターやダンス、笑えるチャレンジ、ドッキリ動画など、見ているだけであっという間に時間が過ぎてしまうTikTok。小中学生からも絶大な人気を誇るアプリのひとつです。

しかし、保護者の目線から見ると「目にしてほしくない動画」や「知らない人とのやりとり」など、心配になることも多いのではないでしょうか。そんなときに頼りになるのが、「ペアレンタルコントロール」という機能です。TikTokを完全に禁止するのではなく、ペアレンタルコントロールを活用することで、子どもが安全にアプリを楽しめるように見守ることができます。

今回は、TikTokのペアレンタルコントロールの基本的な知識から、使い方、親子でも話し合いのコツまで分かりやすくお伝えします。

TikTokのペアレンタルコントロールってなに?

ペアレンタルコントロールとは、スマホやアプリの使い方を保護者が見守ったり、必要に応じて使用を制限できる機能のことです。使える時間を決めたり、特定のアプリを使えないようにしたり、子どものネット利用をサポートしてくれます。

TikTokにも独自のペアレンタルコントロール機能があり、「ファミリーペアリング」という名称の機能です。親子のアカウントを連携させることで視聴時間の制限や検索機能のOFF、メッセージの送受信制限などが設定できます。

たとえばTikTokを1日30分までに設定したり、不適切なワードを含む動画を表示させないようにしたり、かなり細かくコントロール可能です。操作は簡単で、TikTokアプリの設定から「ファミリーペアリング」を選び、QRコードを読み取るだけで連携が完了します。

TikTokのペアレンタルコントロール機能は細かい設定が可能

TikTokには、保護者が子どもの利用状況をしっかり見守れるように、いろいろなペアレンタルコントロール機能が用意されています。それぞれの機能を詳しくご紹介していきます。家庭のルールや子どもの年齢に合わせて必要な設定を使い分けていきましょう。

1.スクリーンタイム管理

ついつい見続けてしまうTikTokですが、スクリーンタイム管理を使えば、1日に使える時間をあらかじめ決めておくことができます。15分単位で調整でき、最長で120分まで設定可能です。子どもが時間を意識して使えるようになるきっかけにもなりますし、「あと◯分だからもうすぐ終わりにしようね」と声をかけやすくなります。

2.年齢に合わせて表示内容を制限

TikTokでは、年齢に合わないコンテンツが表示されないようにする設定もあります。これによって、過激な表現や大人向けの話題など、子どもにふさわしくない動画がタイムラインに出てこないように調整できます。「見せたくないけど完全に禁止はしたくない」というときに、とても便利です。

3.検索機能オフ

検索バーから気になるワードを自由に入力して見たい動画を選ぶことは、場合によってはリスクになることもあります。検索機能をオフにしておけば、子どもが自分で過激なテーマや不適切な言葉を検索してしまう心配を減らせます。

4.「いいね」や「コメント」

SNSの基本機能でもある「いいね」や「コメント」も、ペアレンタルコントロールで制限することができます。知らない人とのやり取りや、思わぬコメントで心が傷ついてしまうことを防ぐためにも、こうした細かな設定は重要です。安心してTikTokを楽しむためのサポートになります。

5.ダイレクトメッセージ

知らない人からのDM(ダイレクトメッセージ)には不安がつきものですよね。TikTokのペアレンタルコントロールでは、メッセージ機能自体をオフにすることも可能です。小中学生くらいの子どもには特におすすめの設定で、不意なトラブルを防ぐことができます。

6.アカウントを非公開

非公開アカウントに設定することで、フォロワーになっていない他のユーザーが動画を見たりコメントしたりすることを防げます。子どもの投稿が外に広がらず、安心して使える環境が整います。子どもがTikTokを利用する場合は、非公開アカウントの方が安心といえるでしょう。

親子の会話こそ最強のペアレンタルコントロール

ペアレンタルコントロールの機能はとても便利ですが、それだけでは不十分なこともあります。一番大切なのは、親子の間にある「信頼」と「会話」です。

どんなに優れた機能も、子どもが納得していなかったり、不満を感じたままではうまく機能しないこともあります。たとえば「何も言わずにTikTokの時間制限を設定したら、子どもが反発してきた」ということも考えられます。

たとえ大人でも理由を知らされずに利用を制限されたら納得できませんよね。そんなときは、「どうしてこのルールがあるのか」「TikTokをどう使ってほしいと思っているのか」をしっかり説明することが大切です。

実際に、子どもとしっかり話し合ってからペアレンタルコントロールの設定をした家庭では、「思ったよりスムーズに受け入れてくれた」「自分でルールを守ろうとする姿が見られてびっくりした」といった声もあります。

ルールの前に、きちんと心の通ったやりとりをしたことで、うまくいったと感じている保護者も多いようです。TikTokをめぐるルール作りは、親子の信頼関係を深めるきっかけにもなります。機能を使いこなすだけでなく、子どもの気持ちに寄り添う「会話のコントロール」こそが、本当の意味でのペアレンタルコントロールなのかもしれません。

ペアレンタルコントロールの落とし穴

ペアレンタルコントロールはとても便利な機能ですが、「設定しておけば安心」と思って油断してしまうと、思わぬところで見落としが出てくることもあります。

たとえば、TikTokの利用時間を制限しても、子どもが別の動画アプリやSNSを使ってしまえば「使いすぎ防止」はできません。また、スマホやアプリ自体のアップデートによって知らないうちに設定がリセットされていたり、新しい機能が追加されていたりすることもあるため、定期的に確認することが大切です。

さらに、子どもに知らせずに制限をかけてしまうと、こっそり監視されているように感じさせてしまうこともあります。そうなると、親の意図とは逆に、子どもがかたくなになってしまうこともあるかもしれません。

ペアレンタルコントロールはあくまで手段のひとつです。大切なのは、使う側である大人が「どう見守っていきたいか」を考えながら活用することです。機能の便利さに頼りすぎず、ちょっとした気づきや子どもの変化にも目を向けることで、より安心できる環境づくりにつながります。

まとめ

いかがでしたか?これからの時代、TikTokのようなSNSは子どもたちにとって当たり前の存在になっていきます。大切なのは、怖がって遠ざけることではなく、どうやって安心して使わせるかを一緒に考えることです。

ペアレンタルコントロールを上手に使えば、TikTokを安全に楽しみながら、親子の信頼関係も深まっていきます。ルールやペアレンタルコントロールはあくまでも、SNSと上手に付き合っていくためのサポートの道具です。子どもの好奇心を大切にしながらペアレンタルコントロールを活用して、安心できるスマホ習慣を一緒につくっていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。